「ギンザ・グラフィック・ギャラリー第395回企画展
ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)ではこれまで、横尾さんのグラフィックデザインの真髄を、ポスター、ブックデザイン、挿絵の3つのジャンル(章)で展覧しました。
そして今回4回目、満を持して、ここ銀座で、「デザインのプロセス」という横尾作品の番外編に焦点を当てた「横尾忠則 銀座番外地」を2023年06月30日(金)まで開催しております。ぜひ足をお運びください。
・展覧会情報
「これからが本番です」― この言葉は、今年の2月、横尾忠則さんが日本芸術院で新設された<建築・デザイン>分野の会員に選ばれた時の決意表明です。「43年前に画家宣言をされた横尾さんがなんでデザイン分野なの?」 という疑問も残りましたが、100年を超える歴史を持つ日本芸術院の古い体質に、風穴を開けるような事件ではなかったでしょうか。
本展では、横尾さんが日本芸術院に選出された主な評価理由「文学、演劇、音楽、映画、ファッション等、様々な分野に活動の場を拡げた43年前のデザイン」(1960~80年代)に焦点を当てることになりました。ただしその対象は、完成品のポスターや書籍ではなく、作品を構成するラフスケッチ、アイデアノート、デッサン。表現エレメントとしてのドローイング、原画、コラージュ。版画やポスターを仕上げるための版下、色指定紙等々、作品完成以前の膨大な「デザイン表現のプロセス」です。横尾さんと親交のあった高倉健が主役の映画『網走番外地』になぞらえば、「横尾さんの仕事の番外の地」と言っても良いでしょう。
これらの資料や作品は、横尾忠則現代美術館のもとですでに約80箱に収納・整理されていましたが、実物に触れる前に資料や作品、収納状況の記録写真18,000点余をチェック。さらに展示のための250点を厳選するのに約2,500枚の出力の山と対峙しました。そのうず高く積み上げられたコピー紙の山は、すでに「ヨコオアート」の源泉で溢れかえり、「ヨコオアーカイブ」という名のカオス状態。そして、それらを「丸呑み」することによって、今回の企画展の扉が開きました。
今回大々的に展覧するスケッチや原画、版下等が並ぶ展示空間は、横尾さんの手のぬくもりを感じさせ、見る人に頭ではなく肉体的体験を約束します。それはブラックホールのように、今まで見えなかった横尾さんの創造空間に引き込み、吸収し、消失してしまうような、「無」の境地に誘います。いまだ生成し活動し続ける横尾さんの超私的ブラックホール。その渦中「番外の地」に迷い込んでしまえば、横尾さんの表現の原点・原郷に到達、遭遇できるかもしれません。
ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)では、横尾さんには3回のグループ展をはじめ、「横尾忠則ポスター展 吉祥招福繁昌描き下ろし!!」(1997年)、「横尾忠則 初のブックデザイン」(2012年)、「幻花幻想幻画譚1974-1975」(2018年)と3回の個展に登場いただきました。横尾さんのグラフィックデザインの真髄を、ポスター、ブックデザイン、挿絵の3つのジャンル(章)で展覧しました。そして今回4回目、満を持して、ここ銀座で、「デザインのプロセス」という横尾作品の番外編に焦点を当てた「横尾忠則 銀座番外地」を開催。横尾忠則という大きなグラフィックデザイン物語4部作の最終章をご覧いただくことになります。しかし、横尾さんにとってこの展覧会は、未完に向かう単なるプロセスに過ぎません。
ぜひ会場に足をお運びください。
「一日が未完で終わるように、人間の一生も完成なんてないじゃないですか。
あるのは循環、メビウスの輪である。
完成と未完は表裏一体で魂と肉体みたいなものだ。」 横尾忠則
・編集
榎本了壱、北沢永志
・協力
横尾忠則現代美術館
・展示構成
HIGURE 17-15cas
・告知物デザイン
横尾忠則、相島大地(ヨコオズ・サーカス)
・関連イベント
開催につきましては当サイトにて最新情報をご確認ください。
https://www.dnpfcp.jp/gallery/ggg/
・基本情報
会期
2023年05月15日(月)~06月30日(金)
会場
ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg) 1F / B1
104-0061 東京都中央区銀座7-7-2 DNP銀座ビル
Tel:03-3571-5206/Fax:03-3289-1389
開館時間=11:00a.m.-7:00p.m.
休館=⽇曜・祝⽇
入場無料
・ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)について
ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ginza graphic gallery)は、グラフィックデザインの専⾨ギャラリーとして3つのgの頭⽂字から「スリー・ジー(ggg)」の愛称で親しまれています。1986年、グラフィックデザインと密接なかかわりを持つ⼤⽇本印刷株式会社は、⽂化活動の⼀環として、創業の地であり、画廊のメッカでもある銀座に、gggを設⽴し、展覧会やレクチャーの開催、gggBooks等の出版活動を継続し、多くの⽅々にグラフィックデザインの素晴らしさと出会う機会をご提供しています。
【ギンザ・グラフィック・ギャラリー】プレスリリースより
<過去の関連記事>
日本のアートディレクション展 2022【ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)】にて開催中!