【パナソニック汐留ミュージアム】「ジョルジュ・ブラック展」内覧会レポート

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パナソニック汐留ミュージアムでは、2018年4月28日(土)~6月24日(日)までの期間、「ジョルジュ・ブラック展」が開催されています。4月27日にプレス内覧会が開催されましたので、その様子をお伝えいたします。

 

キュビスムの創始者、ジョルジュ・ブラック(1882-1963)。20世紀初頭、ブラックはピカソとともに、分解と再構成を通じて対象物の立体性を平面上に表現するこの手法で絵画に革新をもたらしました。

ブラックのすべての造形物美化への挑戦は絵画や彫刻から始まり、ジュエリー、陶磁器、ステンド・グラスなどの装飾芸術に至るまで様々な形態の作品が制作されました。特にそのジュエリー作品の数々は「ブラックの最高傑作」と絶賛され、その崇高さと輝きには画家の飽くなき美への追求が結実しています。

 

本展覧会では、そのブラックが最晩年に取り組んだ「メタモルフォーシス」シリーズを日本で初めて本格的に紹介。さらに初期の絵画を含むおよそ90点の作品を通じてブラックの画業の変遷をたどり、画家が目指した造形上の変化を知ることができる構成となっています。

 

■展示構成

序章
第1章 平面
第2章 陶磁器
第3章 ジュエリー
第4章 彫刻
第5章   室内装飾

それでは、会場風景と展示作品の中から一部をご紹介いたします。

 

 第1章 平面

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会場風景

 

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ブラックによるグワッシュ画(不透明な水彩絵具を用いた絵画)。複製を許可する旨の直筆の書き込みがある

 

リトグラフ作品が会場の壁に並ぶ

リトグラフ作品。サイズもグワッシュ画より拡大し、鮮やかな色彩とを楽しめる

 

ブラックの作品には初期から繰り返し描かれるモチーフがある。左の『ペレアスとネレウス』もそのひとつ

『ペレアスとネレウス』(左)『ヘカテ』(右)のように、ブラックの作品には初期から繰り返し描かれるモチーフがある

第1章では、ブラックが1961年から1963年に取り組んだ「メタモルフォーシス」の制作活動の根幹となる平面作品が紹介されています。ここに並ぶ一連のグワッシュ画(不透明な水彩絵具を用いた技法、絵画)は版画へと展開し、のちに制作されるさまざまな立体作品の下絵となりました。

 

第2章 陶磁器

作品は平面から立体へ。それにともない、会場の雰囲気もがらりと変化

作品は平面から立体へ。それにともない、会場の雰囲気もがらりと変化

 

『ヘカテ』も平面から立体へ。ギリシャの神々がテーマとなっている

『ヘカテ』も平面から立体へ。ギリシャの神々がテーマとなっている

 

『ヘカテ』も平面から立体へ。ギリシャの神々がテーマとなっている

テーマは陶磁器だが、実用から離れた純粋な彫刻作品も展示されている

ブラックの空間と立体への飽くなき探究心が結実した陶磁器が展示されている第2章。第1章で展示されていた《ペリアスとネレウス》《ヘカテ》など「メタモルフォーシス」の主要モチーフが皿、ピッチャー、壺など陶磁器作品に姿を変えて登場します。

 

第3章 ジュエリー

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「ブラック芸術の最高峰」と称されたジュエリー作品の数々が輝きを放つ

「ブラック芸術の最高峰」と称されたジュエリー作品の数々が輝きを放つ

第3章では、ブラックがジュエリークリエイターのエゲル・ド・ルレンフェルドと共同することで生み出されたジュエリーの作品群が出品されています。女性には見逃せない展示ですね。

ブラックの絵が貴金属によって立体へと変容したこれらの作品を見て、フランス文化大臣のアンドレ・マルローは「ブラック芸術の最高峰」と称え、最大の賛辞を送りました。

 

第4章 彫刻

紫色のアメジストを使った魚の彫刻『グラウコス』

紫色のアメジストが一粒一粒丹念に嵌め込まれた魚の彫刻『グラウコス』

 

流麗で力強いフォルムが印象的な『メディアの馬車』。台座にはブラックのサインが

流麗で力強いフォルムが印象的な『メディアの馬車』。台座にはブラックのサインが記されている

 

アール・ヌーヴォーの名品を多数生み出したドーム工房によるガラス彫刻

アール・ヌーヴォーの名品を多数生み出したドーム工房によるガラス彫刻。バックライトが当てられ、光を透過する様子が大変美しい

第4章で展示されているのは、ブラックの彫刻作品群。ブラックは陶磁器やジュエリーに見られるモチーフをあたらめて彫刻に用い、素材と形態の組み合わせを変えながら、永遠の命を与えています。

 

第5章 室内装飾

ブラックの手による室内パネルが並ぶ。ブラックは装飾画家の家に生まれ、若い頃からその技術を身につけていた

ブラックの手による室内パネルが並ぶ。ブラックは装飾画家の家に生まれ、若い頃からその技術を身につけていた

 

横顔と正面が同時に描かれた、キュビズム的な画面構成のモザイク画

横顔と正面が同時に描かれた、キュビズム的な画面構成のモザイク画

 

ブラックの交流のあったモザイク職人と共同で作り上げたステンド・グラス作品

色々なかたちのガラスピースを重ねる「ジェマイユ」という技法で作り上げられたステンド・グラス作品

最終章では、ブラックが手がけた室内装飾やタピスリー、モザイクなど晩年の作品、そしてブラックの遺志を継いだ工房の作品が一堂に会します。ブラックは家業を継いで装飾画家としての修行を積んでいたため、純粋芸術のみならず装飾芸術にも精力的に取り組んでいました。


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フランス語で「変身」「変容」を意味する言葉「メタモルフォーシス」。ブラックは古代ローマの詩人オウィディウスの『変身物語」に登場する神々をモチーフとして、平面から立体に、素材を変えながら「変容」していくさまを伝えます。
「ジョルジュ・ブラック展」は、これまで日本ではほとんど紹介されてこなかった「メタモルフォーセス・シリーズ」を、およそ90点の作品とともに展観する、大変貴重な機会です。

会期は2018年4月28日(土)~6月24日(日)まで。
ぜひこの機会に足を運んでみてはいかがでしょうか。

 

開催概要

展覧会名 「ジョルジュ・ブラック展 絵画から立体への変容-メタモルフォーシス」
会場 パナソニック汐留ミュージアム
会期 2018年4月28日(土)~6月24日(日)
休館日 水曜日
※5月2日は開館
時間 午前10時~午後6時
※入場は午後5時30分まで
料金 一般:1000円 65歳以上:900円 大学生:700円
中・高校生:500円 小学生以下:無料
URL https://panasonic.co.jp/es/museum/exhibition/18/180428/

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