銀座のお店や施設にイチオシのモノ、人、場所、こだわりを伺っていくコーナー【うちのイチオシ!】。
今回イチオシを紹介してくださったお店は、2021年6月24日にオープン、銀座に本店を構える高級バラ専門店「ROSE GALLERY」が手掛けた、“フラワーロス”の解消を目指すコンセプトショップ「re:ROSE(リローズ)」です。
「1輪のバラも見捨てない。」がコンセプトの「re:ROSE」
2020年、コロナ禍により大小さまざまなイベントが中止・延期になった結果、行き場を失った大量の花が廃棄される事態になりました。それが各メディアで取り上げられたことをきっかけに、多くの人々が知ることになった “フラワーロス”の問題。
品質には何の問題もないのに、規格外として出荷さえされずに農家で省かれる花。仕入れてから日が経ち、きれいだけど売り物としてはもうお店に出せない花。
花業界で長年「仕方のないロス分」として諦められていた、そんな花たちの命を輝かせたい――。生活様式が見直され、エシカル、サステナブルの要素が当たり前のようにライフスタイルに浸透した今、個人や企業が続々とフラワーロス問題に取り組み始めています。
今回取材した「re:ROSE」もそのひとつ。銀座7丁目、銀座駅から徒歩10分ほどの場所で営業されています。
店内に入ると、天井に吊るされたたくさんのドライフラワーが来店者を迎えます。一見すると高級スイーツショップのようにも感じられるおしゃれな雰囲気にうっとりしました。
お話をうかがったのは、「re:ROSE」を運営するジャパンフラワーグループ株式会社 クリエイティブディレクターの武田桃子さんと、re:ROSEプロジェクトリーダー・コスメデザイナーの森亮樹さんです。
――「re:ROSE」の概要やオープンのきっかけについて教えてください。
武田さん:
「ROSE GALLERY」は高級バラ専門店ということで、厳選された最高品質のバラのみをお客様に提供する形でご愛顧いただいております。
厳しい審査基準を満たさなかったバラはどれだけ美しくとも店頭に置けず、廃棄せざるを得ません。スタッフはみんな、日の目を見ることなく捨てられるバラに心を痛めていました。
バラを1輪も見捨てたくない、すべて生かせる道はないかという思いで、ちょうどコロナ禍でフラワーロスに注目が集まった状況も踏まえて誕生したのが「re:ROSE」というブランドです。「ROSE GALLERY」で廃棄される運命だったバラを生まれ変わらせ、エシカルな商品として皆様にお届けしています。
――内装で使われているドライフラワーも廃棄予定だったバラなのでしょうか? とてもロマンティックでかわいいです!
森さん:
ありがとうございます! おっしゃるとおり、すべて規格外として本来ならゴミ箱に入るはずだったバラを活用しました。今は飾りながらドライフラワーに加工している最中でして、ゆくゆくは商品化してお客様に楽しんでいただきたいと考えています。
規格外のバラでもこんなに映えるし美しいんだよ、とメッセージを伝えられるような内装にしたいというこだわりがあったため、ショーケースもスイーツのように色とりどりのバラの花びらを並べるなど、目にも楽しい形に演出しました。
【うちのイチオシ!】はオリジナルディフューザーを作れる「MY ROSE」
【うちのイチオシ!】としてご紹介いただいたのは「MY ROSE(マイローズ)」という商品。バラのポプリ×容器×香りを組み合わせて、自分だけのディフューザーを作れるというものです。
森さん:
ポプリは、規格外&開き切ってしまったバラをドライフラワーにしたポプリか、半永久的に枯れない・色が変わらないプリザーブド加工を施したタイムレスポプリの2種類から選べます。単色でも、複数の色を混ぜていただいても大丈夫です。
日持ちの面ではプリザーブドフラワーがおすすめですが、ドライフラワーはバラ本来の色の美しさを楽しめるので、用途によって使い分けていただければ。
武田さん:
タイムレスポプリは、南米エクアドルで特別に育てられた希少品種のバラ「AMOROSA(アモロ―サ)」を加工したもの。1輪1輪がしっかりとしているバラで、花弁がビロードのように肉厚で、生花のような質感が特徴です。
このように花弁を分けた形であれば、花のサイズや開き具合はほとんど関係なくなりますよね。1輪のバラも無駄にすることなくお客様に楽しんでいただけるだろうと開発した商品になります。
――よく見ると、ポプリは色ごとに花言葉が紹介されていますね。
森さん:
そうなんです。スイーツを選ぶように色の好みで選ぶのもいいですが、バラは色ごとに花言葉が違うので、自分だけの意味を持たせたディフューザーを作るのも楽しいかと思います。
――色と花言葉、プレゼント用なら特にどちらを基準にするか迷いそうです。花言葉で選ばれるお客様は多いですか?
武田さん:
意外かもしれませんが、女性より男性のほうが花言葉に興味をもたれる方が多いです。
「ROSE GALLERY」では、お客様それぞれギフトシーンをヒアリングして、どうすればお相手に喜んでもらえるのかを一緒に考え、商品をご提案していますが、それは「re:ROSE」でも同様です。色のことも花言葉のことも、迷うことがあればスタッフに気軽に相談してもらえたらと考えています。
――どのようなシーンで「re:ROSE」を利用してほしいですか?
森さん:
特別なギフトをお求めの際はもちろん、ライフスタイルにバラを取り入れたいときも、自分だけの「MY ROSE」を作りにきていただきたいですね。店内でドリンクも提供していますので、カフェとして活用していただくのも大歓迎です。
一人でもフラッとご来店いただき、かわいい店内でリラックスしながら、フラワーロスの問題に少しでも思いを馳せていただければ。
――ココシル読者へ一言お願いします。
森さん:
お客様だけの特別なバラと出会える「re:ROSE」に、ぜひ足を運んでみてください。
また、当店のInstagramアカウント(https://www.instagram.com/rerose_ginza7/)ではバラや商品に関する写真を投稿していきますので、一度覗いてみていただけるとうれしいです。
フラワーロスを解消するため、すばらしい取り組みを行っている「re:ROSE」の皆さん。ただ廃棄される花を消費者に届けるのではなく、より大きな魅力を付加したアップサイクルの商品を開発する、時代のニーズに答える姿勢を知り、大手百貨店などから早くも視察の方が訪ねてきているとか!
店内で「なぜこれが廃棄されてしまうの!?」と嘆きたくなる美しいドライフラワーを見ながら、フラワーロスは花業界の人々だけでなく、一般消費者も無関心でいてはいけないなと感じた今回の取材。皆さんも「re:ROSE」に足を運んで、エシカルな花の消費について考えてみませんか?
「re:ROSE」概要
住所 | 東京都中央区銀座7-7-12 圭田ビル1階 |
営業時間 | 11:30~19:30 |
定休日 | 日曜日 |
TEL | 03-3571-2066 |
https://www.instagram.com/rerose_ginza7/ |
※掲載されている情報は、記事掲載日(2021/07/28)時点のものです。