世界を魅了した「装飾」の多様性 京森康平がホワイトストーンで初個展(東京・香港・EC)

Kohei Kyomori, Flowing Forest god col.01, 2021, 116.7 x 91 × 5cm (F50号)

 

この度、ホワイトストーンギャラリー(東京、香港、EC)では、2021年10月8日より京森康平の個展 ”We can always talk here.”を同時開催いたします。
https://online.whitestone-gallery.com/ja/pages/kohei_kyomori_exhibition

今回「花鳥風月」を現在に即して咀嚼した「FLOWING」シリーズを展示。
そして、銀座新館では鑑賞者参加型の企画も実施予定。

世界に認められた現代装飾家・京森康平を、この機会にご体感下さい。

 

Kohei Kyomori, Flowing Forest god col.01, 2021, 116.7 x 91 × 5cm (F50号)

Kohei Kyomori, Flowing Phoenix rose col.02, 2021, 90 x 60 × 3.5cm

 

■ 個展詳細
京森康平の世界の根幹をなすのは、古今東西の装飾美術のあくなき探求とその再解釈である。これまで人類が繰り広げてきた装飾の歴史を紐解き、再定義し、それらが内包する物語を平面で表現してきた。ホワイトストーンにおける初個展となる今展では、近年取り組む2つのシリーズからの新作とインスタレーションのみならず、京森にとっても新たな取り組みとなる参加型の作品も展開。いずれも、現代美術に新たな血脈を採り入れる試みだ。



 

装飾に魅せられる理由を、「装飾が持つ視覚的に物語る力の強さ、人の手によって注ぎ込まれた膨大な時間の密度の高さ」と京森康平は語る。展覧会タイトル『We can always talk here.』が示唆するのは、その視覚言語としての可能性、個々の装飾が内包する超越性であり、ひいては文化や言語、時代や人種の差異による断絶を乗り越え、観るということにおいては誰もが平等かつ公平な繋がりを持てるという展望である。

 

「横断や超越への志向」は、京森の創作に形を変えては立ち現れる。一例として、今回展示されるシリーズ「FLOWING」も、日本ならではの自然の風物「花鳥風月」を現在に即して咀嚼し、ドリッピングで肉感性を施しつつ、非西洋的でアジア的な時間軸 ―作家の言葉を借りれば「過去から未来にではなく、未来から過去に向かって流れる時間の波の、その最高の刹那を切り取り、現在に定着させること」―で視覚の物語を形成する。そこでは、時間は人間のうえに覆いかぶさる存在ではなく、むしろ来迎するもの ―向き合い、挑戦的な関わりを持つことが可能な対象―となる。

 

一方、印章をその成り立ちから紐解き転生させたシリーズ「R.E.P.」は、装飾と人間の関係性を俯瞰する研究が作品化したもの。印章とは「文字の発達以前、人間が所有を表現するための最も素朴なシンボルであり、他者や世界に対して自分自身の関係を刻み付ける能動的営み」であると京森は語る。そこに鑑賞者の役割が紐づけられることで、作品は参加型のものとなる。装飾と身体の不可分性の顕著な具現が、ガウディのサグラダ・ファミリア。作家いわく「ひとえに壮大であり、それは人間自らが、しかも大量の人間の身体が、各々が持つ膨大な時間を注ぎ込むことによってこそ獲得できるもの」。京森にとって装飾性のアウラとは色彩や構図の次元に留まらず、人間の身体的所与の延長線上に生まれ得るものなのだ。鑑賞者が自らの印章によって実際に参加することで、その魔術的な力はおおいに試されることになるだろう。

 

京森康平が常に心に留めるのは、特定のコンテクストに縛られることのない、アートを介した観想的でシームレスな繋がりである。例えば「FLOWING」では、神霊を模した能面を図示的に引用しつつ、多元的な世界観―本来の日本的アニミズムに基づいた、存在の多様性を肯定する世界観を提示。それらはまた、テクノロジーや社会通念の刷新などの時代の要請に揉まれつつ、互いの距離感を変え、将来的にアートが内包する可能性をも引き出しながら様々な代替可能性を示唆してゆく。装飾文化を換骨奪胎し、「開かれたアートの場」として再構築する京森康平の世界を、この機会に是非ともご体感下さい。

 

Kohei Kyomori, Flowing 牡丹蝶図 S4 #1, 33.3 × 33.3 × 2.1cm, 2021

Kohei Kyomori, 朝顔蝶図 M8 #1, 45.5 × 27.3 × 2.1cm, 2021

Kohei Kyomori, Flowing 薔薇蝶図 S4 #1, 33.3 × 33.3 × 2.1cm, 2021

 

 

■ 個展概要

会期 2021年10月8日~2021年10月30日
会場 ホワイトストーンギャラリー銀座新館
営業時間 11:00 〜 19:00
休館日 日曜、月曜
所在地 東京都中央区銀座6-4-16

会期 2021年10月8日~2021年10月30日
会場 ホワイトストーンギャラリー香港
営業時間 11:00 〜 19:00
休館日 日曜、月曜、祝日。(特別企画やイベント時を除く)
所在地 7-8/F, H Queen’s, 80 Queen’s Road Central, Hong Kong

会期 2021年10月8日~2021年10月30日
会場 ホワイトストーン オンラインギャラリー
URL    https://online.whitestone-gallery.com/ja/pages/kohei_kyomori_exhibition

 

最新情報について、ホワイトストーンオフィシャルインスタアカウントまで
https://www.instagram.com/whitestonegallery.official/
(インスタ内で ”whitestonegallery.official” を検索)

 

 

■ 京森康平 プロフィール

 

京森康平は、古今東西のあらゆる造形物に見られる装飾を現代の視点から再解釈し、平面作品に引用することによって独自の視覚言語の構築を目指しています。人間が自らの手によってつくりあげ、そして誰かの視覚に訴えるという、その装飾のあり方そのものに深く共感する京森は、陶芸や建築、衣服や印章等における装飾の役割や性質へ徹底したリサーチをかけ、それを手工芸的な考え方に根ざした制作技法によって作品化します。装飾における思想や美学、その歴史を振り返りながら制作される京森の作品は、デジタルシフトによってますます人間が手を使わず、またモノを離れていく現代において物体としての造形や表現の価値、自らの手によって何かを生み出すことという、根本的な人間の活動について問い直しをかける機会を提示します。

1985年愛媛県出身。2008年マランゴーニ学院 ファッションマスターコース卒業。主な個展に「 -REP.-」(BAF STUDIO, 東京, 2020)、「AWAREBI」(WATOWA GALLERY, 東京, 2020)があり、主なフェアに「Art TNZ」(TERRADA ART COMPLEXⅡ, 東京, 2020)、主な受賞歴に「エルメス 国際スカーフデザインコンペティション グランプリ」(2020)、「Spiral Independent Creators Festival 20 準グランプリ」(2019)がある。

 

 

■ ホワイトストーンギャラリーについて

 

1967 年に東京・銀座にオープンして以来、ホワイトストーンギャラリーは世界と競合できるアートギャラリーとしての地位を確立してきました。銀座・軽井沢の国内店舗に加え、香港(アートの複合ビル HK H Queen’s)、台湾にも拠点を構えています。ホワイトストーンは、戦後の具体美術・現代アーティスト・新進気鋭の若手アーティストを紹介する、アジアで最も先駆的な画廊のひとつ。

 

社名: 株式会社ホワイトストーン
代表者: 代表取締役社長 白石幸栄
所在地:〒104-0061 東京都中央区銀座 5-1-10 設立:1967 年
URL: www.whitestone-gallery.com

 

 

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