突然、江戸が出現した。木の板に「江戸箒(ほうき)製造所ー白木屋伝兵衛」とある。銀座には、銭湯が二軒ある。ひとつは金春通りの「金春湯」。もうひとつが銀座一丁目の「銀座湯」で、行ってみたら改装中で入れない。今は高速道路の側だが、江戸時代は00川で、京橋と白魚橋の間になる。江戸の空気が漂っているみたいだ。
店内に入ると職人さんが作業中。部屋の箒、庭箒、刷毛、たわし、小さいのだと歯ブラシまで。畳のある家も少なくなったが、畳のメンテナンスはこのお店にあるような棕櫚(しゅろ)の箒で掃いたほうがいいらしい。服もブラッシングすると生地が生き返るように。
ショップカードをもらって見るとそこに「創業天保元年(1830年)」とあった。買いたいものがたくさんあったが、今日はまず「歯ブラシ」と、なんと「パソコン・キーボードの箒」を買った。この白い毛はたぶん、バイオリンの弓と同じ、馬のしっぽの毛なんじゃないかと思う。こんど大きな箒を買いに行くときに聞いてみよう。