4/1~28 葛西亜理沙 写真展

4月1日(金)~4月28日(木)
11:00~19:00
※最終日は15:00まで



この写真展で展示される作品は、すべて葛西亜理沙が独自の視点で“銀座”を5年に亘り撮影したものだ。会場で作品を目にしたとき、恐らく誰もが撮影した場所がすべて銀座だとは気づかないであろう。それは、「どのように銀座を切り取るのか」という葛西氏の感性や撮影方法の影響であることはもちろんだが、同じ東京であっても銀座が他の街と違った、独特の発展をしてきたことと関係がある。
明治に起きた二度の大火と、関東大震災で被害を受けるたび、銀座はイギリス建築や西洋文化を受け入れ、独自に再生を繰り返してきた特殊な場所なのだと葛西氏は言う。「過去の惨事を幾度となく乗り越え、更に新しい街に発展させようと築かれてきたこの街は、裏通りや路地に伝統を残しながらも表通りは垢抜けています。海外の大都市に引けを取らないようにと、いい意味でお高くとまってすましている街に私には見えるのです。他の東京の街とは一線を画している感じがします。」と銀座の印象を話してくれた。軒を連ねるハイブランドの店先の広告は、パリやニューヨークのそれと変わらない。ネオンが輝き、その下を行き交う人々や信号待ちをする車。しかし雑多ではない。そのクールでハイソサエティな顔を持つ銀座を魅力的に切り取るには、光を選ばなければならないと葛西氏は言う。そのため撮影は、夕刻から夜にかけて撮影することが多い。それは日没後の薄暗くなり始めたブルーモーメントの時に、ネオンや車のライトが付き始め、あらゆるものが窓やガラスに複雑に反射して街が表情を変え、それを自分の視点で写真に取り込めるからだ。

「実際に存在する銀座の一角から、自分の感覚で写真に収めた場所は、一見銀座だとわかりづらく、どこにもない場所に見えるかもしれません。しかし、その場所は、私の写真の中に確実に存在しているのです。」

NO WHERE, どこにもなく、
NOW HERE. 今、ここにある

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【葛西 亜理沙(かさい ありさ) プロフィール】
横浜市生まれ。青山学院女子短期大学で英文学を学んだ後、写真を勉強するためにアメリカに留学。サンフランシスコ州立大学芸術学部で写真を専攻し、卒業後、写真家の坂田栄一郎氏に師事。2010年に、フリーランスの写真家として独立。東京を拠点に活動している。第63回朝日広告賞入賞。第16回上野彦馬賞「九州産業大学賞」受賞。

【展覧会歴】
2004年 「CONVERSION」 マグノリアギャラリー(米国カリフォルニア)
2007年 「SAN FRANCISCANS」 Photo Gallery International(東京)
2012年 「WAプロジェクト2012」 東日本大震災チャリティ・オークション 72Gallery(東京)
2016年 「上野彦馬賞受賞作品展」 九州産業大学美術館(福岡)、東京芸術劇場ギャラリー(東京)など全国の美術館、ギャラリーを巡回中


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