「数寄屋橋公園」は中央に岡本太郎の「太陽の塔」、その前の道路際にこんな記念碑が建っている。
「ここに数寄屋橋ありき/菊田一夫」
劇作家・菊田一夫による、数寄屋橋を舞台にしたラジオ・ドラマ「君の名は」は、1952年に放送された。
第二次大戦中、東京大空襲の日、たまたま銀座で巡り会った見知らぬ男女は、やっとの思いで火の手を逃れ数寄屋橋までたどり着く。お互いの無事を確認したあとふたりは、もし生きていたら半年後に、またここで再会しようと約束して別れる。しかしふたりは運命の渦に巻き込まれ、何度も何度もすれ違うのだが再会できない。今はケータイやスマホがあるから、こんなドラマは成立しないかも知れませんが…。
放送当時、日本中がその展開に熱中し、まだあまり内風呂(自宅の風呂場)がなかった時代だから、放送の時間になると町の銭湯がガラガラになったという。劇作家の菊田一夫は、森光子が演じた「放浪記」なども書いている。
このドラマの舞台の数寄屋橋は江戸城の外堀に架けられていた橋で、この物語の頃は石造り。1958年に東京高速道路の建設で埋め立てられ、この石碑が建てられた。そしてもうひとつ。この公園にある噴水池の名前は、「めぐりあいの泉」という。
銀座で待ち合わせといえば、「三越ライオン前」が有名だが、「有楽町マリオン」の前も、大きな時計があって都合が良い。ここにも記念碑がある。時計に向かって右手のちいさな庭みたいな所。
「あなたを待てば雨が降る、濡れて来ぬかと、、、」これはフランク永井の歌った「有楽町で会いましょう」のモニュメント。
デュエット曲として愛唱される(通称ギンコイ)「銀座の恋の物語」。さまざまなカップルがデュエットされることでしょうが、歌手は石原裕次郎と牧村旬子。映画の方は裕次郎と浅丘ルリ子である。銀座のが歌われる曲はほかにも「銀座ブルース」「二人の銀座」「西銀座駅前」などたくさんある。
銀座はひとびとが出会う場所。これからもここからさまざまなドラマが生まれることだろう。