「原作デビュー100周年記念 くまのプーさん展」(松屋銀座)レポート|100エーカーの森へ、プーさんと仲間たちに会いにいく

 

松屋銀座・イベントスクエアでは、アラン・アレグザンダー・ミルンが手掛けた児童小説『クマのプーさん』の発売100周年を記念したイベント「原作デビュー100周年記念 くまのプーさん展」が開催されています。会期は2026年3月17日(火)から4月13日(月)まで。

先立って行われた報道内覧会には、大の「くまのプーさん」好きとして知られている女優の相武紗季さんがゲストとして登壇しました。

 

© Disney Based on the “Winnie the Pooh” works by A.A. Milne and E.H. Shepard.

 

相武紗季さん

エントランス

 

『クマのプーさん』は、1926年にイギリスの作家アラン・アレグザンダー・ミルン(1882-1956)が、息子クリストファー・ロビンのぬいぐるみたちに命を吹き込んで誕生した物語です。舞台は、一家が週末や休暇を過ごした、イングランド南部のアッシュダウンの森から着想を得た「100エーカーの森」。食いしん坊のプーをはじめ、臆病なピグレットや騒がしいティガーなど、少し不器用で愛らしい森の仲間たちが織りなす日常は、単なる児童文学の枠を超え、「『何もしない』は最高の何かに繋がる」といった人生の知恵や哲学を私たちに教えてくれます。

 

A.A.ミルン、クリストファー・ロビン、E.H.シェパードの写真資料

 

この物語に輪郭を与えたのが、挿絵画家アーネスト・ハワード・シェパード(1879-1976)による繊細なペン画です。その柔らかくも生き生きとした描線は、森ののどかな空気や遊び心に満ちたキャラクターたちの息づかいを伝え、今なお「クラシック・プー」として愛されています。1960年代以降は、ウォルト・ディズニー・カンパニーによるアニメーション化をきっかけに、赤いシャツを着たプーの姿がアイコンとして定着。原作が持つ素朴な叙情性と、映像表現によるポップな魅力が融合したことで、本作は世代や国境を超え、普遍的な癒しの物語として受け入れられてきました。

 

挿画展示のコーナー

 

「原作デビュー100周年記念 くまのプーさん展」の前半では、『クマのプーさん』(1926)と続編の『プー横丁にたった家』(1928)に掲載された挿画(※複製/後年シェパード自身が手掛けた彩色版)や、シェパードに所縁のあるサリー大学のアーカイブ&スペシャル・コレクションから、当時の貴重な出版物など関連資料を展示。

 

「クリストファー・ロビンのお茶会に集まったプーと仲間たち」A.A.ミルン作・E.H.シェパード絵『クマのプーさん』より、1973年、メシェーン社(ロンドン)刊(複製)

「ウサギの巣穴から出られないプーに本を読むクリストファー・ロビン」「中で洗濯物を干すウサギ」A.A.ミルン作・E.H.シェパード絵『クマのプーさん』より、1973年、メシェーン社(ロンドン)刊(複製)

 

挿画のエリアでは、プーが穴にはまってしまった場面や、クリストファー・ロビンと夕日に向かってスキップする姿など、厳選された名シーンを堪能できます。

欲を言えば、ミルンが綴る含蓄あるやり取りや言葉遊びのユーモアについても、あわせて提示されていれば作品に対する理解がさらに深まったでしょう。もっとも、シェパードの素朴で温かみのあるタッチの挿画は、単体でもじゅうぶん魅力的。抑制を利かせた構図や大胆な余白が、描かれた場面にさまざまな解釈を許しています。キャラクターに生命感を覚えるのは、静止した画面の中に微細な動きを感じさせる、ラフな輪郭の影響なのかもしません。

 

100エーカーの森をイメージした空間

 
展示後半は、ディズニー・アニメーションの展開です。100エーカーの森をテーマに、木漏れ日の差し込む演出の中、森の仲間たちの暮らしを立体的に感じられる空間が広がります。ここでは、コンセプトアートやラフ画、背景画、立体作品などを紹介。さらに、『くまのプーさん/完全保存版 ブルーレイ+DVDセット』に収録されている映画監督やミュージシャンへのインタビューなど、制作背景を示す映像資料なども充実していました。

 

キャラクター紹介の展示

イーヨーやピグレットなど、森の仲間たちが集まっています。

アニメーション作中の印象的なシーンを特集した展示

コンセプトアートの展示

大小さまざまな立体作品が並んでいます。

映像資料の展示

棒投げ橋のフォトスポットも!

 

報道内覧会には、「プーさんと一緒に風船で空を飛んで、蜂に刺されることを覚悟でハチミツを取りに行きたい」と語るほど「プーさん愛」が大きい相武紗季さんがゲスト出演しました。

幼い頃から身の回りにプーさんグッズがあふれていたという相武さん。作品については、幼い頃はただ「かわいい」「癒される」という感覚で接していたそうですが、母親の立場になって楽しみ方に変化が起きたといいます。

「『クマのプーさん』の世界観と子供がいる現実の世界観がリンクすることがあったり、プーさんと子供の言動が一緒だなと思ったりすることがあります。そこに声をかけるクリストファー・ロビンの声の掛け方がとても優しく、温かく寄り添うものなので、私もこういうふうに子供に声を掛けたいなとハッとさせられることもあります」と述べ、世代や環境が変わっても、さまざまな視点で楽しめるのが本作の魅力だと語ります。

 

フォトスポットで笑顔を見せる相武さん

 

相武さんは本展に関心を寄せる人々に対して、次のようなメッセージを寄せました。

「見どころ満載の展覧会です。子どもから大人まで、いろいろな視点でいろいろな楽しみ方ができます。100エーカーの森など体験を楽しむエリアもあれば、大人がじっくりと100年の歴史を振り返り、それまで知らなかったことを学んでますますプーさんのことを好きになるようなエリアもあります。ぜひご家族やご友人、大切な方、たくさんの方に何度も足を運んでもらって、『くまのプーさん』の魅力にどっぷり浸かっていただきたいです」

 

会場特設ショップでは、本展でしかゲットできない限定グッズも多数販売中。

「クラシック プー」ファン向けの限定アイテムも。画像は「プーさん100th ガーゼバッグ」2,800円(税込)

 

なお、本展は会期終了後、大阪会場(阪急うめだ本店)をはじめ全国巡回も予定しているとのこと。『くまのプーさん』の100周年をみんなで祝う展覧会、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

 

© Disney Based on the “Winnie the Pooh” works by A.A. Milne and E.H. Shepard.

 

■「原作デビュー100周年記念 くまのプーさん展」概要

会期:2026年3月17日(火)~4月13日(月) ※一部日時指定制
会場:松屋銀座 8階イベントスクエア
開場時間:11:00-20:00
 ※最終日は17:00閉場
 ※3月22日、29日、4月5日、12日は19:30閉場
 ※最終入場は閉場30分前まで
主催:原作デビュー100周年記念 くまのプーさん展実行委員会
公式サイト:https://matsuya-exhibition.com/pooh100-exhibition

※入場料、チケット販売方法については公式サイトでご確認ください。
※本展覧会に関する情報は予告なく変更になる場合があります。最新情報、詳細、注意事項等を必ずご確認ください。

 

 

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