うちのイチオシ!「ぎんざ姿」のふぐ白子

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「うちのイチオシ!」

このコーナーでは、お店や施設の「イチオシ!」のモノ、人、場所、こだわりなどのお話をお伺いしていきます。


今回、訪問させていただいたのはふぐ料理屋の「ぎんざ姿」さんです。

お店の利用可能数は1日4組のみ。居心地の良さを徹底した個室と接客で、訪れた人を笑顔に変える「ごちそう」を提供しています。今回は、そんな「ぎんざ姿」の2代目オーナーシェフ、熊澤 彰さんに「うちのイチオシ」として、とらふぐ白子をご紹介いただきました。



 

2代目オーナーシェフ 熊澤 彰さん

2代目オーナーシェフ 熊澤 彰さん


 
とらふぐの焼き白子

とらふぐの焼き白子


 
⇒ とても大きな白子ですね

2月、3月は大きな白子を楽しめる時期です。普通、ふぐの白子はニワトリの卵1個分でも大きい方ですが、当店のものは4個分はあります。220~230グラムほどです。もちろん、お客様のご希望に合わせて切ってお出ししています。口にされたお客様からは「今まで自分が食べてきたふぐは何だったの」なんてお褒めいただくこともあるんです。
 
これだけ大きくて良質な白子を用意できるのも、ご縁なんですね。創業60年になるんですが、その中で繋がりを持った産地さんだったり、仲買さんが「姿さんだったらこれを出さないと」と仰ってくださる。そういった”輪”の賜物なんです。魯山人さんが「ふぐは板前いらず」と言っているんですが、悔しながらその通り。いいふぐが来れば、美味しいふぐ料理になる。他にこだわるところと言えば、ポン酢くらいなんです。

 
⇒ ポン酢はどのようなものを使っていらっしゃるのですか?

ポン酢は自家製のものを使用しています。大分県臼杵市に仲良くしていただいている農家さんがありまして、そちらのカボスで作ります。年間で5000個を絞っていますね。それと小笠原の島塩を合わせます。出来上がったポン酢は、ふぐ以外で使うと少ししょっぱいくらいの味です。
 
ふぐにとってポン酢は非常に重要です。ポン酢があるからこそ、生臭いふぐが食べられる。とある国では、ポン酢が知られるまで、ふぐは不味い魚のワースト3に入っていました。カボスにしたって、すっぱすぎて、そのままじゃ食べられません。でも、およそ調味料に向かないミカンと不味いはずの魚を合わせたら、美味しい料理になってしまった。ふぐ料理はそういう”遊び”から生まれたものなんです。だから私も遊びを大切にしていて、遊びを突き詰めるために、いいふぐを仕入れたり、ポン酢にこだわったりしているんです。
 
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⇒ 自家製のポン酢で食べたお客さんの反応はいかがですか?

面白いことに、食べ始めて一切れ目二切れ目は、反応がないんです。最初はきっと、ポン酢がすっぱいと感じるんだと思います。砂糖を使っていないので、甘くないんです。三、四切れ目くらいで、むくっと頬が上がるんですね。ふぐはお寿司と違って、一口目で「おっ」とはならないんです。不思議と、後から来る。
 
養殖と天然の違いも不思議なもので、うなぎのようにシビアな味の違いはないんです。それなのに、天然を普段召し上がっている方が養殖を口にすると「何だか分からないけど幸せにならない」と仰る。シビアな味の違いはないはずなのに。でも煮凝りを作った時に、養殖と天然には明確な違いが出るんです。天然のほうが倍以上、固まる。きっとコラーゲンだったり、成分に違いがあるんだと思います。もしかすると、人間はその言葉にできない大きなうま味を感じ取っているのかもしれません。
 

実は2割のお客様が、飾られた絵画やお皿を目当てに来店されるそうです。

実は2割のお客さんが、飾られた絵画やお皿を目当てに来店されるそうです。


 
棟方志功の絵画。こちらの絵は、銀座へ移った際にご近所のギャラリーで入手されたとのこと。料理のみならず、オーナーのご縁は広がっています。

棟方志功の絵画。こちらの絵は、銀座へ移った際にご近所のギャラリーで入手されたとのこと。


 
⇒ 銀座という街についてはどのようにお考えでしょうか?

当店は銀座に来て7年目ですが、銀座は”自分の持てる最高”を求められる街だと思っています。他の街では、提供できる最高を100として、値段との兼ね合いで60くらいになるのではないでしょうか。最高を出すと、「そんな高いもの誰が食べるんだ」って、怒られますから(笑)。でも銀座ではこちらの”伸びしろ”を見て、時には120が求められる。「あなたが持てる一番を見せてくれ」という、”育て方”をしてくれる。それでいて、料理を喜んで下さるお客様は、必ずしも、途方もなく裕福な方というわけではないんです。銀座に来たんだからこれを食べたい、やはり銀座に来た甲斐があった、という街への期待なんですね。
 
こんなことを言ってしまうと、際限なく値段が高くなってしまいそうですが、銀座は六本木と違ってべらぼうに高くても売れない。突き抜けすぎないセンスが銀座にはあるんです。銀座ファッションって、赤が真っ赤ではなくくすんでいたり、ブルーも空より海の色に近かったりしますよね。そのほうが、光が当たった時に濃淡が出て綺麗だったりする。そういうセンスを持っている街だということが、うれしいですね。

 
ふぐの美味しさを説明することは難しい、と仰っていた熊澤さん。不思議な魅力を持つふぐですが、口にしたお客さんの顔つきは、明らかに幸せそうに変わると言います。皆さまも是非、ぎんざ姿さんで、ふぐ料理の幸福感を味わってみてはいかがでしょうか。


「うちのイチオシ!」

店舗データ

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店名 ぎんざ姿

所在地 東京都中央区銀座1-9-18 ぎんざ姿ビル

電話 03-3567-0003

URL http://fugusugata.jp/


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