2018年6月30日(土)に有楽町・東京国際フォーラムのレストラン「ラ・メール・プラール東京」がリニューアルオープンします。
それに先駆け開催された試食会にココシル銀座編集部も参加してきましたので、レポートします。
国際フォーラムのAホール一階に位置するラ・メール・プラール東京。2011年のオープンより7年経った今年2月にいったんクローズし4か月をかけて改装されました。
もともと本店のラ・メール・プラールは1888年にフランスのモン・サン=ミッシェルにてオーベルジュ(レストラン兼宿屋)として誕生しました。今年で創業から130周年という節目を迎えるに当たりリニューアルをした当店の外観は、フランス本店と同じく赤を基調にしたデザインです。
一歩店内に足をふみいれると、クラシカルなフランスの宿屋を彷彿とさせるレセプションがお出迎えしてくれます。
レセプション脇には本店に訪れた世界中の著名人の写真が飾られています。
今回新設されたカフェスペースです。本店の中庭をイメージしています。
天井の色調はモン・サン=ミッシェル周辺の海から着想を得ています。浅瀬に空の色が移りこんだ、繊細な色合いにこだわり再現されたものです。
広々としたレストランスペース。試食会はこちらで行われました。
リニューアルに当たり、メニューにも大幅な変更が加えられたそうです。
なかでもこだわって作られているのが、創業年にちなんだ「MENU 1888」。130周年を記念してフランスで発行された本に含まれるレシピを東京店の足立シェフが東京用にアレンジした、クラシカルな料理で構成されています。1人4800円(税別)。
まずは前菜。プレフィックスの4種のなかから1種類選べます。
試食会ではスモールポーションで全種類味わうことができました。
エビのマリネ。ケッパーがくせになります。
手前からイワシのコンフィ(低温調理)、サーモンマリネ。コンフィに使用されるのは現地から取り寄せたサーディンです。一般的なオイルサーディンの製法としては生のイワシをオイル漬けにしてから缶に入れ加熱しますが、ラ・メール・プラールでは先にコンフィにしてふっくらと仕上げたイワシを缶詰めしています。こうすることで遠く離れた日本でも身の厚くおいしいイワシを味わうことができます。本来でしたらこれらのエビ、サーモン、サーディンは一皿で一緒に提供されます。
シャルキュトリー。サラミ・生ハムなど食肉加工品の総称です。正式なコースでは全種のシャルキュトリーを盛合せてサラダ仕立てで提供されます。
左 スープ ド ポワソン(魚のスープ)、右 ノルマンディー産フロマージュ(カマンベール、ポンレヴェック)。チーズは正式なコースではサラダ仕立てで提供されます。レーズンやアプリコットと一緒に口にすると、酸味が加わりミルクのまろやかさが引き立ちます。
前菜の後にやってくるのは名物のスフレオムレツです。創業時のシェフであり店名メール・プラール(プラールおばさん)の由来ともなった女性アネット・プラールは、メインができる間に疲れた旅人のおなかを満たすために栄養たっぷりのオムレツを提供していたといいます。
オープンキッチンの前でオムレツ用の卵をかき混ぜる本日のオムレティエ(オムレツ職人)はジル・ジェネオ総料理長。リズミカルな音に思わず足を引き寄せられます。
卵にたっぷりの空気と愛情を入れることがおいしさの秘訣だそう!使用される卵の数は企業秘密とのことでしたが、だいたい6-8分かけてかき混ぜるそうです。
モン・サン=ミッシェルの本店はいつも扉があいていて、店に入ってすぐの厨房から聞こえるこの卵をかき混ぜる音が外の通りまで響きます。
東京でも実際にかき混ぜる姿を間近に見ることができます。オープン後にもこのようにオープンキッチン前での写真や動画の撮影が可能だそうです。
フライパンに火が入ると、バターの香りがレストラン中に広がります。
お皿にオムレツを盛り付ける瞬間。存分に空気が含まれているために叶うこのスフレ感。
このオムレツパフォーマンスの動画は世界中で1500万回以上再生されているそう。それをこんなに近くで目にすることができます。
テーブルに運ばれてきました。フランス産キノコのソテーとフォアグラポワレのオムレツです。今回はミニサイズをお試しします。
見た目はふっくらとボリュームたっぷりですが、空気がふんだんに含まれているためぺろりと食べられます。オムレツ自体は少ししょっぱく感じられるかもしれませんが、卵の甘みを引き出すためにあえて塩を利かせているそうです。
濃厚でフレッシュなフォアグラも絶品です。
ひとまずオムレツでおなかを満たしたら、いよいよメインの登場です。
「MENU1888」では、プレフィックスの7種類のうち1つを選択します。
左 牛頬肉のロースト、左 北フランスの白いブイヤベース コトリアード。ノルマンディー地方はもともと土地がやせていたため酪農が盛んで、古くからチーズのような乳製品を料理に使用する習慣がありました。この白いブイヤベースもそうした土地柄から生まれたものです。一般的に広く知られる赤いブイヤベースはトマトをベースにした南フランスのものだそうです。
鴨胸肉のロースト 赤い果実。鴨肉には脂がのっていますが、酸味のあるベリーのソースが添えられているので女性でもさっぱりといただけます。
国産豚背肉のグリエ。コリアンダーを使用してローストし、はちみつ、黒こしょうを加えたソースには柑橘系の香りをのせています。日本人に親しまれる豚肉という食材に新たな切り口からアプローチ。ノルマンディーの特産であるリンゴをキャラメリゼしたものを添えていただきます。
仔羊のロースト。タイムによって羊肉のくせを抑えてうまみを引き出します。
鶏腿肉のロティとフランス産キノコ。本来は鶏腿肉の中にきのこが詰め込まれて提供されます。表面をカリッと焼き上げられた鶏肉にトリュフが香るソースを添えて。
このほか、お食事にはパン ド カンパーニュまたはフレンチフライがつきます。
メインの後はデザートです。「MENU1888」ではワゴンサービスをとっているので、各テーブルで好きなものを3品選べます。
コーヒー、エスプレッソまたは紅茶がつきます。
以上にご紹介したのが「MENU1888」です。モン・サン=ミッシェルのあるノルマンディーやブルターニュ地方の伝統的に愛されてきた食材や調理法を取り入れたクラシカルなメニューに、東京風のスパイスを利かせています。ココシルが紹介したお写真などは試食会用のものですが、雰囲気は感じていただけたでしょうか?正式なメニューはこちらのURLからご確認ください。
http://www.la-mere-poulard.jp/menu.html
しかし、今回の試食会はこれだけでは終わりません。もう1品、リニューアルオープンにあたり誕生した東京店限定メニューもお披露目されました。「アニバーサリーオムレツ」です。
お客さんの特別な日を、ラ・メール・プラールの看板メニューであるふわふわオムレツで演出するために誕生したスペシャルメニューです。
焼きたてのオムレツがテーブルまで運ばれてくるため、席に着いたまま料理人がオムレツをお皿に盛りつけるパフォーマンスを見ることができます。
お皿には季節のフルーツや伝統のフランス菓子が美しく飾り付けられており、そこにオムレツが目の前で盛り付けられ、花火もともされるのでサプライズにぴったり。エディブルフラワーを使用しているため、お花も一緒に食べることができます。
「アニバーサリーオムレツ」は1台3500円(税別)、前日までに要予約です。
出口右側にはフォトブースもあって、壁にかけてあるフライパンも自由に手に取れます。お帰りの際には写真撮影もお忘れなく!