開廊50周年 名品展 ギャルリーためながにて開催

私共ギャルリーためながは、1969年日本で唯一西洋絵画の名匠を扱う画廊として誕生し、おかげさまで本年50周年を迎えることができました。ご厚情に感謝し、心より御礼申し上げます。本年を記念し最後を飾ります展覧会として、私共の50年の歩みをご紹介すべく、近代絵画の巨匠を網羅しました珠玉作を一堂に介する「名品展」を開催致します。

 

開廊致しました当時は、国立西洋美術館ですら開館から若干10年を数えるばかりで、西洋の近代美術が未だ認知されていない中、同館の主催する印象派展等、近代西洋美術を鑑賞する土壌がようやく日本に開かれて間もない頃のことでした。



 

しかしながら、西洋絵画の名匠作品は限られた美術館で鑑賞するに留まっており、公私の美術館はもとより、個人のコレクターの蒐集に至っては、未だその幕明けの訪れは遠いのが現状だったと言えましょう。その状況下、創業者爲永清司が銀座に画廊を開きます。名品を入手することも、またフランス政府の厳格な芸術保護政策のもと、作品をフランス国外に持ち出すこと自体、困難な時代でありました。にもかかわらず、爲永が50年代の渡仏以降育んだフランスでの交友関係 ― パリを代表する画商ポール・ペトリデス等をはじめとし、ベルナール・ビュッフェ、藤田嗣治、荻須高徳等の画家、そしてフランス屈指のコレクター等 ― による多大なる尽力により、幾多の門外不出の名品を招来することができました。当事の状況をかんがみると周囲の驚嘆を呼びましたことは言うまでもありません。

 

特筆すべきは、日本では全く無名のエコール・ド・パリと呼ばれる作家たちの名品を集めることに爲永が着目、傾注したことです。人気の高い印象派の代表作の殆どは既に欧米の美術館やコレクタターの所蔵となっており、市場で得られるのは、名品とは言いがたい作品が残るのみでした。そこで爲永は、より質の高い作品を求め、モディリアーニ、ヴァン・ドンゲン、キスリング、シャガール、スーチン等の一流作品を集めることに力を注ぎます。その結果、やがて名匠と呼ばれる作家の名品の数々を、国内有数の美術館や、個人コレクターの方々に納めることができました。現在ではこれらの作品が国立西洋美術館の壁を飾っていることは、私共の誇りとするところでございます。

 

お客様のコレクションの中に作品をご提供するだけでなく、才能ある画家を育成し、世に送り出すことが、画商としての私共の理念です。開廊の翌々年1971年、その理念を貫くべく、セーヌ右岸に日本の画商として始めてパリに画廊を開きます。ここを育成の拠点として、未だ評価定まらない画家達を、日本はもとより、本国フランスにも紹介してまいりました。開廊から15周年を経た1984年、私共の活動が、日仏芸術交流の発展の一役を担ったという評価を賜り、フランス政府より芸術文化勲章(L’Ordre des Arts et des Lettres)を授与されております。

 

開廊50年を迎えた現在、フランス美術界を中心としてきた活動はアメリカ、アジアを中心に世界各地へと拡大しております。とりわけ近年では、欧米やアジアの世界各地に視野を広げ、新鋭作家の紹介にも力を注ぎ、現代絵画の発信地としての役割も担うよう尽力しております。常に著名なコレクターをも魅了する作家をご紹介していることは、誠に喜ばしい限りです。

 

今展では、ピカソ、シャガール、ルノワール、藤田、ヴァン・ドンゲン、デュフィ、ルオー、スーチン、ルドン、キスリング、ローランサン、ユトリロ、ヴラマンク等、約40点をご紹介致します。ギャルリーためながの歩んだ50年の歴史、そして新たなるスタートにふさわしい名品の数々をご清鑑戴ければ幸いに存じます。

 

 


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