誰もが活躍するこれからの社会を体現する、女性若手能楽師「寺井姉妹」による秋の公演。初めての能楽鑑賞にも、おすすめ。
能楽寺井父娘会が主催する「寺井父娘会―寺井美喜披露能」が、9月18日(日)に銀座シックスにて開催されます。
室町時代から約700年続く能楽は、ユネスコの無形文化遺産にも登録されている日本独自の伝統芸能。世界最古の舞台芸術とも言われています。長い歴史の中で主に男性によって演じられてきた能楽ですが、戦後になりようやく、プロとして女性能楽師が認められるようになりました。いまだ女性の人数はそれほど多くないものの、その第一線として、若手である寺井姉妹(千景・美喜)も活動をしています。
今回は、観世流家元/観世清和氏による舞囃子や、狂言などとともに、若手能楽師が必ず通る登竜門である「乱」を、寺井姉妹の妹である寺井美喜が披露します。
能楽師/寺井姉妹について
観世流シテ方として子どもの頃よりともに活躍する若手姉妹。父は寺井栄。
日本伝統である能楽を後世につないでいくために、日本国内での能楽への興味関心を高めることなども目標に活動中。能楽の世界ではまだ少数派である若手女性、そして姉妹として、子どもたちへのワークショップ、海外での能楽講師など伝統芸能の新しい扉を開く活動を精力的に実施している。
寺井千景(姉)
能楽観世流シテ方(流儀準職分)
父・寺井栄 ( 流儀職分 ) に師事 。東京芸術大学音楽学部邦楽科卒業。同大学院音楽研究科修了。3歳にて仕舞「老松」で初舞台。16歳「花月」にて初シテを勤める。これまでに「経正」「小袖曽我」 「巴」「羽衣」「熊坂」「殺生石」「鵺」などのシテを勤める 。 2009年には 新作能「兼続 」に参加 。またシドニー・シンガポール・ポーランドの海外公演にも参加。 現在シンガポール Lassalle College of fine Arts にて非常勤講師を勤める。
寺井美喜(妹)
能楽観世流シテ方(流儀準職分)
父・寺井栄(流儀職分)に師事。東京藝術大学音楽学部邦楽科卒業。四歳にて仕舞「玄象」で初舞台。「吉野天人」にて初シテを勤める。シンガポール、マレーシアの日本人学校にて能楽講座を開催。これまで、シドニー、シンガポール、ポーランドの海外公演に参加。
寺井栄(父)
能楽観世流シテ方 (流儀職分)
重要無形文化財「能楽」総合指定保持者 。2006年度文化庁文化交流使・オーストラリアにて活動 。能楽協会理事、観世会常務理事を経て、現観世会監事。1947年生まれ。
1953年観世流故 25 世宗家観世左近に師事。1971年戦没殉職船 員追悼式(観音崎にて挙行)。
第 1 回より奉能に参加(皇太子・皇太子妃両殿下ご臨席)。
1986 年より奉能責任者として「海霊」シテを勤める。2006年シドニーにて公演・ 2010年シンガポール公演の団長、2019年ポーランド公演の団長を勤める 。2007年文化交流使としてシドニー大学客員教授を勤める 。他にも多くの海外公演に参 加 。
今回の公演の特長
通常よりも短い時間で、能楽を気軽に楽しんでいただけます。
「高砂」「羽衣」「乱」など、分かりやすい演目をご用意しました。ぜひお楽しみください。
■ あらすじ
乱(ミダレ)
中国の金山の麓 、揚子に高風という親孝行の男が住んでいまし た 。ある夜の夢に市場でお酒を売れば富を得るという夢の告げに従ってお酒の商売を始めます。高風の店には 、毎日やって来てお酒を買い求め飲むお客がいまし たが、不思議なことにいくら酒を 飲んでも顔色が変わることがありません。名を尋ねると海中に住む猩々だと名乗ります 。
高風が酒壺を用意して潯陽の江のほとりで 猩々を 待っていると 、水中から猩々が現れ酒を飲み波を蹴って舞い戯れます。やがて高風の親孝行を褒め、いくら酒を汲んでも尽きない酒壺を与え消え失せます 。
■ その他の演目
舞囃子:高砂/寺井栄 屋島/寺井千景 羽衣/観世清和
狂言 :神鳴/大藏彌太郎・大藏教義
【開催概要】
公演名称 :寺井父娘会ー寺井美喜披露能
開催日時 :2022年9月18日(日)11時30分開場・12時開演
チケット情報 :SS席8000円、S席7000円、A席4000円
開催場所 :観世能楽堂/GINZA SIX 地下3階 東京都中央区銀座6−10−1
チケットお問い合わせ :観世NET https://kanze.net/ もしくはchichitomusumesan@gmail.com
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