【会場レポ】『アートアクアリウム美術館 GINZA』が銀座三越にオープン!金魚が舞う幻想的なアート空間が広がる

 

美しいアクアリウムで泳ぐ金魚を、光・音・香りの演出とともに楽しめる『アートアクアリウム美術館 GINZA』が2022年5月3日、銀座三越 新館8階にオープンしました!

オープン前日に行われた内覧会に参加してきましたので、会場の様子をレポートします。

 

【2023年7月15日追記】2023年6月に新作が多数追加されたということで、あらためて同展を取材しました。ぜひこちらの記事もご覧ください!⇒
【取材レポ】金魚アートの「アートアクアリウム美術館 GINZA」がスケールアップ! 多数の新作水槽が登場、館内最大級「天空リウム」で幻想の世界へ

 

展示風景

展示風景

展示風景

 

『アートアクアリウム美術館 GINZA』が銀座三越にオープン!

 

アートアクアリウムは金魚アートに特化した、幻想的な和の世界観が楽しめる展覧会です。2007年の初開催以降、国内外で期間限定の企画展を重ね、2020年には『アートアクアリウム美術館』という常設の美術館を東京・日本橋にオープン。年間を通して来場者に四季折々の体験を提供してきました。

日本橋から銀座へ移転し、内容を一新してオープンした『アートアクアリウム美術館 GINZA』のテーマは「百華繚乱~進化するアート~」。色とりどりの花が咲き乱れるような、華やかな幻想世界が広がる会場には多数の新作が登場しているほか、これまでに展示してきた人気作品もバージョンアップしています!

施設の開発・設計を手掛けた株式会社Amuseum Parksの長谷川匠氏に話をうかがうと、「以前のアートアクアリウムは水槽をアート作品と見立て、それを見て回るという形をとっていましたが、今回は空間を含めて一つの作品とする体感型・没入型の作品に進化したというのが大きな違いです」と話します。

 

『アートアクアリウム美術館 GINZA』の会場を巡ってきました!

 

9階のエスカレーターで下りて入場します。

 

会場自体は銀座三越の新館8階ですが、入場はいったん9階に上がり、エスカレーターで降りる必要がありました。

 

入り口

 

「銀座万灯篭」

 



入り口の暖簾をくぐると、まずは同館が独自に蒐集したという歴史ある吊灯篭群「銀座万灯篭」が来場者を迎えます。その先に続くのは寺社建築に見られる回廊を表現したという空間型作品「金魚の回廊」。たくさんの金魚が舞う円柱型水槽が整然と立ち並び、さまざまな色でライトアップされていました。なにやら人ならざる者の世界へ足を踏み入れるようで、身がスッと引き締まります。

 

「金魚の回廊」

 

大きな円柱型水槽はこれまでのアートアクアリウムでも存在しましたが、こういった回廊状に配されるとまた雰囲気が違ってステキです。

この円柱が置かれた台はミラーになっていて、のぞき込むと円柱が映り込んでまるで地面の下のほうまで続いている、というか宙に浮いているように錯覚し、引き込まれました。体験型・没入型の作品とはこういうことだったんですね。

 

「金魚の回廊」

 

会場には作曲家・コーニッシュ氏が手掛けた繊細で神秘的なオリジナル楽曲が流れ、この段階ですでに非日常の雰囲気をたっぷり堪能できました。

 

「金魚蒐集(コレクション)」

「金魚蒐集(コレクション)」

 

続いては「金魚蒐集(コレクション)」。アートアクアリウムではおなじみの展示ですが、光の演出が新しくなっているとか。1匹1匹、優雅に舞う金魚という生きるアートそのものに癒されつつ進むと、空間型作品「金魚の滝」が姿を現します。

 

「金魚の滝」

 

その名のとおり滝をイメージした動きのある作品で、横幅の異なる水槽を段差をつけて並べ、上部から水を流しています。水槽から静かに滴る流水を淡い光で照らすことで、静謐で荘厳な印象に。

 

「金魚の滝」

 

正面から観賞するのもいいですが、曲線を描く水槽の間を通ると光と水の流れが煌めき、より美しく感じました。目にも涼やかでこれからの季節、納涼にはぴったりの展示です。

続く「新金魚品評」は、これまで円形の水槽で展開していた「金魚品評」を四角型にリニューアルしたもの。品種改良によって増え続けた金魚の品種を24台の水槽で紹介しています。

 

「新金魚品評」

 

空間が無限に広がっているように見えるのは、こちらも空間の左右に配置したミラーのおかげ。金魚品種の無限の可能性を表現しているそうです。ここは銀座三越新館の1フロアというけして広くはない空間ですが、各所でミラーがいい仕事をしているので狭さを感じません。

 

「新金魚品評」 膨れたほっぺがめちゃくちゃかわいい……!

 

「新金魚品評」ではまさに金魚を品評するように、上から間近で金魚の姿を観察できて楽しいです。上部もガラスかと思いきや、水槽の縁までなみなみ水が入っている様子がつるりとしたガラスに見えただけでした。金魚をのぞき込むときに顔を近づけすぎて水面に触れないよう注意が必要です。

中には「この子も金魚なの!?」と驚くような姿をした品種も。ぜひお気に入りを探してみてください。ちなみに、会場全体で金魚は60種類ほどいるようです。

 

「新金魚品評」 隠れたり群れたり。運が良ければ水面に金魚が顔を出してくれるかも?

「新金魚品評」 眉毛みたいな模様のあるかわいい子を発見。だんだん顔の見分けもつくようになって愛着がわきます。

 

その奥には折り紙をモチーフにした大作「オリガミリウム」があります。アートアクアリウムの人気作品「花魁」シリーズを思い起こさせるフォルムですね。

 

「オリガミリウム」

 

水槽の左右にはたくさんの折り紙の金魚が吊るされていますが、これは空間そのものを水槽に見立てるというか、自分の周りを金魚が泳いでいるような気分にさせる演出でしょうか? 美しくも妖しげな雰囲気がたまりません。

 

「提灯リウム」

 

続くエリアには祭り提灯をイメージした、アートアクアリウム初の空中作品「提灯リウム」が登場。提灯に導かれた先には「金魚の竹林」の幽玄な光景が広がります。

 

「金魚の竹林」

 

金魚が泳ぐものと光の泡がきらめくものとで2種類の円柱が並び、先ほどの「金魚の回廊」とはまた違う表情が見られました。水槽が竹のようにデザインされているのでやはり緑がしっくりきますが、赤、紫、青と色が変わるごとにガラリと空間の印象も変わります。

 

「金魚の竹林」

 

「金魚の竹林」の水槽が明るく光るタイミングで、スマホのフラッシュなし、ナイトモードなども使用せずに自撮りしてみましたが、表情がわかる程度には明るく撮影できました。会場は明るいエリアと暗いエリアがあり、照明の光量もタイミングに寄りますが、「金魚の竹林」はほかの来場者との距離もとりやすく比較的撮影しやすい環境かもしれません。

 

「金魚の竹林」でスマホ+フラッシュなし撮影。(金魚をうまくフレームインできずすみません……)

 

なお『アートアクアリウム美術館 GINZA』では、アートアクアリウム史上初となる、さまざまな分野で活躍するアーティストとのコラボレーション作品を展示していくとのこと。オープン時には第一弾コラボとして、日本を代表する華道家・假屋崎省吾氏の作品「フラワーリウム」が登場しています。

 

「フラワーリウム」 360度どこから観賞しても絵になります。

 

花瓶に見立てた金魚の小さな世界を、假屋崎氏の手でスケールアップ。生け花と金魚という日本の芸術が見事に調和していて、大胆ながら緻密に構築された造形美にしばし時を忘れて見入りました。

 

展示のラストには「円窓デジタリウム」という撮影スポットも。目の前に立った人間の動きにあわせて金魚が動くという仕掛けの透明な有機ELがあるので、ぜひスマホをセットして記念の映像を撮ってみてください。

 

「円窓デジタリウム」 スマホを設置できる専用の台がありますが、設置が適当だととこのようにズレるのでご注意!

 

また、会場ではトップイラストレーターがアートアクアリウムをテーマに描き起こしたイラストレーションも展示。今後は限定プリント及び限定NFTアートの販売も開始していくそうです。アートを楽しむだけではなく購入することもできるのも『アートアクアリウム美術館 GINZA』で進化したポイントですね。

 

イラストレーション

 

金魚の健康管理は? 施設開発担当者に質問しました。

 

『アートアクアリウム美術館 GINZA』を体験した感想としては、過去最大規模の展示となった日本橋の会場と比べると、規模自体は縮小していますが見ごたえは十分ありました。(マスクをしていたので、会場の香りがどのようなものかがイマイチわからなかったのが心残りですが……)

なにより、金魚がのびのびと泳いでいたのが印象的です!

 

2020年に日本橋で美術館がオープンした直後は、金魚の健康管理に関していろいろとネガティブな話題が出てしまい、今回のオープンではどうなのだろうと気になっていましたが……。

施設開発を担当された長谷川氏によれば、「『アートアクアリウム美術館 GINZA』では、全水槽の環境は金魚にとって負担の少ない状態の保持を徹底しており、また状況に応じて常時対応できるように専門の生体管理スタッフもバックヤードも整えております」とのこと。

 

いくら金魚が観賞用に生まれた存在とはいえ、人を喜ばせるために明らかに狭いスペースにギュウギュウに入れられていた過去のアートアクアリウムでは「なんだか苦しそうだな……」と思ったこともあります。そのため、前回までの反省を生かし、さまざまな問題点を改善したという言葉をもらえたこと、そして実際に元気に泳ぐ金魚の姿を見られたことにとても安心しました。

「もっと金魚がたくさん泳ぐ豪華な光景が見たかった」と感じる方もいるかもしれませんが、金魚の健康に配慮し、金魚そのものの美しさをしっかり目で捉えられる今回の展示は以前よりずっと魅力的だと感じます。

 

銀座三越という地下鉄の駅直結で、足を運びやすい立地に新たにオープンした『アートアクアリウム美術館 GINZA』。ぜひ足を運んでみてください。

 

アートアクアリウム以外にも、お面や金魚螺鈿などの日本の美が会場を彩っていました。

お土産エリアではここでしか入手できない商品も多数。要チェックです!

 

 

■『アートアクアリウム美術館 GINZA』施設概要

※チケット料等は公式サイトにてご確認ください。

開業日 2022年5月3日(火・祝)
所在地 銀座三越新館8階 (東京都中央区銀座4-6-16)
営業時間 10:00~19:00 ※最終受付時間は18:00
(変更になる場合があります)
休館日 銀座三越の休館日に準ずる(加えて、メンテナンス等により不定期で休館の場合があります。詳しくは公式サイトをご確認ください。)
アクセス JR「有楽町駅」(中央口・銀座口)より徒歩9分
東京メトロ銀座線・丸の内線・日比谷線「銀座駅」直結 ほか
入場方法 新館エスカレーターまたは、本・新館のエレベーターで9階まで移動し、新館9階 銀座テラスからのご入場となります。
注意事項 ・ベビーカーでの入場、ペットをご同伴されての入場は不可。
・手荷物のお預かりロッカーはありません。
公式サイト http://artaquarium.jp/
公式SNS Instagram https://www.instagram.com/artaquarium_tm_official/
Twitter https://twitter.com/artaquarium_tm
Facebook https://www.facebook.com/artaquariumofficial
主催 株式会社AQUA ART RELATIONS
企画制作 株式会社Amuseum Parks
運営 株式会社Amuseum Parks
協力 株式会社三越伊勢丹 銀座三越

※本記事の内容は掲載日時点のものです。最新の情報と異なる場合がありますので、詳細は公式サイト等をご確認ください。

 

 

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