【体験レポ】「あたりまえっ!?展」がMEToA Ginzaで開催。日常の「あたりまえ」から、明るい未来像を考える体験型コンテンツが多数

 

東京・銀座の三菱電機イベントスクエア「METoA Ginza(メトア ギンザ)」が2025年8月4日(月)に閉館するのを前に、ラストイベント「日常の“あたりまえ”に、再発見と新発見を。あたりまえっ!?展」が開催中です。入場料は無料。


 

「日常の“あたりまえ”に、再発見と新発見を。あたりまえっ!?展」

 

「Mitsubishi Electric: Touch of Advancement(三菱電機で未来に触れる)」からその名がつけられた METoA Ginzaは、三菱電機グループの製品や技術、サステナビリティの取り組みを「見て」「ふれて」「体験して」、楽しみながら知ることができる体験型施設です。東急プラザ銀座内に2016年3月にオープンし、これまで累計600万人を超える来場者を楽しませてきましたが、残念ながら2025年8月4日(月)に閉館することが決定しています。

 

ラストイベントとなる「あたりまえっ!?展」は、フィナーレにふさわしく、約9年の間に開催してきた多彩なイベントの中から、特に人気があったコンテンツを集結させたもの。

イベントテーマは、いつの間にかそこにあって、あっという間に変わっていく日常の「あたりまえ」。そこに潜む人々の共感や気づきを出発点に、あたりまえを支える三菱電機グループの家電から宇宙システムにまで至る幅広い事業領域のイノベーションを体験し、サステナブルな社会の実現に向けた、ワクワクする未来のあたりまえを見つけよう、というコンセプトになっています。

 

本展を案内してくださった、三菱電機株式会社 ブランドコミュニケーション部METoAコミュニケーショングループ主任の深澤さん

世代間の違いも楽しめそうな、日常シーンで出会う「あたりまえ」なエピソードが会場全体に散りばめられています。

 

たとえば、普段何気なく使用している壁掛け形エアコン。「エアコンのあたりまえ」の展示では、

「エアコンが効いた部屋から外に出ると、暑さにビビる」
「『短時間ならつけっぱなしのほうが節約になるよ』がまだ信じられない」
「学生時代、唯一エアコンがある職員室に用もないのに行っていた」



など、いわゆる「あるあるネタ」が導入部として紹介されています。そうしたあるあるネタで誰もがクスッと笑えるくらい、私たちの日常に当然のように存在するエアコンですが、現在のような壁掛け形エアコンが普及した裏には、三菱電機の「あたりまえではない」製品があったことをご存じでしょうか?

 

「エアコンのあたりまえ」の展示

 

ルームエアコンといえば、昔は換気扇に使うような大きなファンで風を起こす床置き形・窓掛け形エアコンが主流でした。三菱電機は1967年に、軽量で薄型、音も静かでまっすぐに進む風が特長の「ラインフローファン」を世界で初めて搭載した、壁掛け形ルームエアコン「霧ヶ峰」を発売。壁掛け形が日本のルームエアコンのスタンダードになるきっかけを作りました。

展示では、ルームエアコンに革新をもたらしたラインフローファンに着目し、その「まっすぐに進む風」を自分で起こす疑似体験ができます。ユニットに風を当てると、スクリーンにカラフルなハートや星、ポップな宇宙船などのアニメーションが登場。当てる風の強弱によって異なる飛び方が楽しめるというもので、絵柄は全部で9種類あるとのこと。

 

「エアコンのあたりまえ」の展示、ラインフローファンの模型から飛び出すアニメーション

 

さらに「未来のあたりまえ」として、対話型AIを搭載したエアコンを作り、「快適な空気と毎日のしあわせをサポートする執事のようなエアコンをあたりまえにしていきたい」という三菱電機の目標についても紹介。

来場者にも、「日常のあたりまえの先に、こんな未来があったらいいな」と楽しみながら考えることを促す内容が、会場全体をとおして続いています。

 

「スマホのあたりまえ」の展示、レーザ加工機による超ミニミュージアム

 

「スマホのあたりまえ」の展示では、レーザ加工機による超ミニミュージアムを展開。

三菱電機では、小型で高機能であることがあたりまえであるスマホには欠かせない、限られたスペースに複雑な電子経路を作るために必要な超精密・高速レーザ加工機を開発しています。展示では、最大毎秒7,000穴の速さで的確に加工ができるというレーザ加工機で開けた、直径わずか0.1mm以下の微細穴による、モナ・リザや名古屋城などを描いた9mm四方の極小アートを紹介。遊び心もありつつ、ルーペを覗くとその精細さがはっきりとわかり、思わず「おーっ!」と感嘆の声がこぼれました。

 

もっとも大掛かりで見ごたえがあるのは、「宇宙のあたりまえ」の展示にある、日本初の宇宙ステーション補給機「こうのとり」の軌跡を、壮大な映像と音響で没入体験する「HOPE FOR UNIVERSE」のムービーです。

 

「宇宙のあたりまえ」の展示、「HOPE FOR UNIVERSE」

 

「こうのとり」は、宇宙飛行士の水や食料、実験装置などさまざまな物資を国際宇宙ステーション(ISS)まで運ぶ無人の宇宙船です。プロジェクトには三菱電機、三菱重工ほか、数多くの企業が参画しており、三菱電機は「こうのとり」の頭脳である電気モジュールの開発や、JAXAつくば宇宙センターに設置された「こうのとり」運用システムの開発等を担当したとのこと。

2009年初号機の打ち上げから、2020年8月9号機の最後のミッションまで、9機の「こうのとり」はISSへの補給物資輸送ミッションを100%成功させ、日本の宇宙技術を世界へ証明しました。しかし、約30年に及んだ開発の裏側には、NASAから突きつけられた1,000を超える有人安全技術の要求への挑戦など、開発チームの試行錯誤の歴史がありました。

 

「宇宙のあたりまえ」の展示、「HOPE FOR UNIVERSE」

 

「HOPE FOR UNIVERSE」は、巨大スクリーン一面に投影された「こうのとり」を通じて、まるで宇宙を旅するかのような気分を味わえる体験型コンテンツ。種子島での打ち上げから、秒速7.8kmの超高速で飛ぶ ISSに安全に物資を届ける日本の独自技術ランデブ・キャプチャ方式を用いた接近の様子や、開発者たちのものづくりへの想いや感動のドラマを追体験できるものです。

空間全体に広がる迫力の映像と音響で臨場感がありますが、画面の多くを星空と青い地球が覆っているため、どこかプラネタリウムにも似た印象も受け、心地よく世界に没入していけます。上映前後では足元に広がる星の光のインタラクションが来場者の動きに合わせてゆらめくほか、上映中も来場者の動きが光の束となってスクリーンに反映される演出もあり、その幻想的な美しさも見どころとなっています。

 

「宇宙のあたりまえ」の展示、スクリーンに伸びていく光のインタラクション

「宇宙のあたりまえ」の展示、三菱電機が開発した衛星たち

 

スクリーンの反対側では、「こうのとり」の意志を受け継ぐ次世代の無人補給船「HTV-X」や、気候変動・地球温暖化に対するモニタリングや防災対策への貢献が期待される、温室効果ガス・水循環観測技術衛星「GOSAT-GW」などについても紹介。いずれも本年度に打ち上げが予定されている、三菱電機のイノベーションの最先端です。

これらの展示からは、これからも進化し、あたりまえになっていくだろう宇宙空間を活用した技術を想像しながら、いつの日か宇宙旅行も特別なものではなくなる未来への期待を高めることができるでしょう。

 

「未知の掛け合わせで生まれるあたりまえ」の展示

 

その他にも、

・電力や交通、ビル、住宅設備など、三菱電機グループのさまざまな製品やサービスから集めたデータとの偶然の出会いから未知のソリューションを作る、三菱電機のデジタル基盤「Serendie®」を活用した「Serendie City」の体験展示

・中国最高層ビル「上海中心大厦」にある、三菱電機が開発した分速1,230mという超高速エレベーターのスピード感を、銀座の景色とともに楽しめるVR体験(高所恐怖症の方は要注意)

など、2フロアにわたって多様なコンテンツが展開されています。

 

本展をきっかけに、サステナブルな社会の未来のあたりまえや技術の可能性について、何かワクワクするような想像ができるかもしれません。その場合は、三菱電機に実現してほしい未来のあたりまえに投票する「あたりまえ人気投票」やメッセージボードで想いを伝えてみることも可能です。三菱電機の方々のモチベーションになるのはもちろん、具体的なアイデアは開発者へフィードバックされるとのことで、来場者一人ひとりの声が、大きなアクションにつながる可能性もあるでしょう。

 

また、こだわりのコーヒーやジュース、スーパーフードや野菜を中心とした食事を提供している併設のカフェレストラン「METoA Cafe & Kitchen」では、今回のイベント開催に合わせてサステナブルを意識した限定メニューが登場。

 

「Death By Chocolate [デスバイチョコレート] 」

 

限定メニュー 「Death By Chocolate [デスバイチョコレート] 」
 1,958円(税込) ドリンクセット+330円(税込)
※数量限定 なくなり次第終了

 

大人気のホットケーキに、フェアトレードチョコレートを使用したアイスやソースなどをトッピングしたメニュー。試食させていただきましたが、ふわふわで重さを感じさせないホットケーキとクリームに、どっしりと味わいに存在感のあるチョコレートアイスがよく合います。散りばめられたくるみやアーモンドなどのスーパーフードは食感も楽しく、エディブルフラワーで彩りも豊か。見た目にも味にも満足度の高い一品でしたので、来館の際はぜひ同店にも足を運んでみてください。

 

閉館後は、METoA Ginzaのコンセプトや取り組みを継承しつつ、さまざまな企業・団体と連携しながら全国各地でイベントを展開していく予定とのこと。銀座から離れてしまうのは残念ですが、こうしたイベントをより多くの地域の方々に体験してもらえることは、「さまざまな社会課題とその解決策を共に学び、共に考え、共にワクワクする未来を創る場」としての機能をより強めていくことにつながるはずですので、今後の展開にも注目です。

 

 

■「日常の“あたりまえ”に、再発見と新発見を。あたりまえっ!?展」イベント概要

会期 2025年4月18日(金)~2025年8月4日(月)
開催時間 イベントスペース:11:00〜19:00
METoA Cafe & Kitchen: 08:30-23:00/ L.O 22:00
※営業時間変更などの最新情報は 公式サイトをご確認ください。
開催場所 METoA Ginza(東急プラザ銀座1F〜3F)
入場料 無料
公式サイト https://metoa.jp/

※本記事の内容は報道内覧会時点のものです。最新の情報と異なる場合がありますので、詳細は公式サイト等をご確認ください。

 

 

 

<過去の取材記事>
【取材レポ】「オディロン・ルドン ―光の夢、影の輝き」展がパナソニック汐留美術館で開幕。現実と幻想と間で独自の世界を切り開いたルドンの画業を通覧

【取材レポ】松屋銀座×牛めしの「松屋」が初コラボ!神戸牛を使ったプレミアム商品が登場する「松屋のニク活 in GINZA」

【取材レポ】ピスタチオスイーツ専門店「MAX PISTACHIO」の1号店が有楽町マルイにオープン! 店舗限定のクロッカンティーニや、話題のドバイチョコにインスパイアされたチョコスイーツも登場

Top