松屋銀座「モンチッチ展」取材レポート。歴代のモンチッチが大集合! 50年の物語を振り返る

 

おしゃぶりポーズとそばかすがキュートなぬいぐるみ「モンチッチ」の誕生50周年を記念した展覧会「モンチッチ展」が、松屋銀座8階のイベントスクエアにて開催中です。会期は2025年8月13日(水)から8月25日(月)まで。

先立って行われた報道内覧会と、モンチッチのコラボシリーズをプロデュースした原宿系動画クリエイターのしなこさんが登壇した記者会見を取材しましたので、当日の様子をご紹介します。

 


 

1974年に玩具メーカーの(株)セキグチから発売されたモンチッチは、その愛らしい姿はもとより、体はぬいぐるみ、顔と手足はソフビ製という斬新さが話題となり、発売とともに爆発的ブームを巻き起こしました。翌年にはオーストリアを皮切りに海外輸出もスタートし、ドイツ語圏を中心に世界中で人気を獲得。1985年よりパリ以外では一時販売を休止していたものの、多くのファンの要望を受ける形で1996年に再デビューを果たしました。現在までに30か国以上で累計7,000万体以上が販売されています。

その名前はフランス語で「わたしの」を意味する「モン」と、「小さくかわいいもの」を意味する「プチ」、モンキーの「モン」、おしゃぶりをいつも「チュウチュウ」と吸っている姿から名づけられたとのこと。

誕生日などの一部情報を除き、詳細なプロフィールやストーリーが設定されていないため、手にした人の気持ちに寄り添って、どんな関係、どんな性格にも変化できるという自由さも、世代や国籍を超えて愛されている理由となっています。

 

モンチッチ展入口

 

そんなモンチッチは2024年に発売50周年を迎えました。本展は、モンチッチが歩んだ50年の歴史を、歴代のぬいぐるみや貴重な資料など約500点以上の展示品とともに振り返るもの。展覧会オリジナルグッズも多数発売されています。

 



展示風景

展示風景、くたくたモンキーの展示

 

会場に入ると、50年の大まかなトピックを記した年表と、モンチッチの前身となる「くたくたモンキー」(1972)の紹介から展示がスタート。昭和・平成・令和と、時代ごとにモンチッチの展開がまとめられています。基本的なデザインは変わりませんが、ブルーからブラウンへ変更された瞳、だんだんとファッショナブルになっていくコスチュームなど、変化を追う楽しさもあります。

 

展示風景

展示風景、最初期のモンチッチの展示

 

男の子と女の子のモンチッチはもちろん、ぽっちゃり顔が特徴の双子の弟妹マイチッチ、赤ちゃんのベビチッチ、おじいさんとおばあさん、おともだちである子うさぎのチムたん、子ひつじのチャムなど仲間たちも大集合。カラフルなコスチュームも相まって会場は非常に賑やかです。

 

展示風景、マイチッチの展示

展示風景、おじいさんとおばあさんの展示

 

セキグチの企画担当者に話を伺うと、「モンチッチの展覧会自体は過去にもやったことがありますが、ここまで多くの種類のぬいぐるみを展示したのは初めてのこと」だと明かします。

「種類としては、スポーツ・職業なコスチュームや被り物など、各テーマの中で初期から後期までまんべんなく展開をご覧いただけるように厳選しました。特に長かった平成は、トレンドや流行を取り入れたいろいろなテイストのモンチッチが発売されていたので選ぶのが難しかったですね。どの世代の方にも、『自分のときはこれだったな』とうれしく感じていただける展示を目指しました」

 

展示風景

展示風景、キーチェーンタワー

展示風景、洋服コレクションであるブティック モンチッチの展示では貴重なデザイン画なども紹介されています。

展示風景、セキグチが発行するモンチッチ情報誌『モンチッチExpress』の一部が閲覧できます。

展示風景、持ち込んだぬいぐるみを置いて撮影できるフォトスポットも複数用意されています。

 

会場で特に目を引いたのは、昭和・平成・令和、各時代のファンの「オタク部屋」をイメージしたというコーナーです。

例えば、昭和は「各家庭に1個はモンチッチがある」ともいわれていた時代背景を鑑み、家族が集まる茶の間をイメージした空間にたくさんのモンチッチグッズを並べたとのこと。当時人気だったというステーショナリーやバッグが使用されています。一方で令和は、同じシリーズのモンチッチを収集して密度高く並べるという「推し活」ブームを意識した飾り方で、流行りのキーチェーンタイプのモンチッチも登場。ファンの方であれば、「実家がこんな感じだった」「私の部屋のほうがもっと気合が入っている」など、さまざまな記憶や感情が刺激されることでしょう。

 

展示風景

 

ちなみに、モンチッチの男の子と女の子、モンチッチくんとモンチッチちゃんは、発売当初は双子でしたが、その後カップルへと設定が変更されています。展示では、誕生30周年当日となる2004年1月26日に二人の結婚式で出された引き出物や、コースのメニュー表といった珍しい資料もあり、隅から隅まで見どころが盛りだくさんでした。

 

展示風景、結婚式関連の資料展示

 

内覧会と同日に行われたゲスト記者会見には、モンチッチのコラボシリーズをプロデュースした原宿系動画クリエイターのしなこさんが登場しました。

 

ゲスト記者会見で登壇したしなこさん

 

「肌の色も髪の色も、いろんな姿や性格に変化できて、常に私たちに寄り添ってくれるのがモンチッチの一番の魅力なんじゃないかと思います。いまモンチッチを集めることにハマっていますが、外出先にカバンにつけて、手に持ったときにホッと安心する。私にとってはすごく癒しの存在です」とモンチッチ愛を語るしなこさん。

会場では実際に、しなこさんがプロデュースした「わたあめちゃん」と「ユニコーンちゃん」が販売されています。ぱっつん前髪、ピンクと紫の毛並みの原宿系モンチッチで、ワクワクするものを作りたいという想いから本体に「イチゴわたあめの香り」をつけるアイデアを採用したとのこと。「欲張ってあれこれ要素をてんこ盛りにしようとしましたが、あえて引き算しました。お気に入りのピンでヘアアレンジすれば、自分だけの宝物に」と笑顔を浮かべます。

 

「わたあめちゃん」と「ユニコーンちゃん」をPR。

 

最後に、本展へ関心を寄せる人々に対し「モンチッチのことがさらに大好きになったり、心が温かくなったり、新しい発見があったり、人によっては昔のことを思い出したり、すごくワクワクするような展示になっています。ぜひ皆さん足を運んでみてください」とメッセージを送りました。

 

展覧会限定オリジナルグッズも見逃せません。画像は「アニバーサリーボックス MCC&BCC 女の子」税込8,800円

 

昨今のレトロブームを受けての人気の高まりに加え、2024年からは、少子化や高齢化といった課題を抱える日本の地域・地方を活性化する「レトロで元気ッチ!プロジェクト」を始動させるなど、展開が活発化しているモンチッチ。正確なところは不明ですが、これまで10,000種類が世に出たともいわれているそうです。
次はどんなモンチッチに出会えるのか。もはや「懐かしのキャラクター」には収まらないモンチッチのこれからの挑戦にも期待が高まる展覧会になっていました。会期は8月25日(月)までですので、気になる方はぜひチェックしてみてください。

 

■「モンチッチ展」東京会場 概要
会期:2025年8月13日(水)~8月25日(月)
会場:松屋銀座 8階イベントスクエア
開場時間:11:00~20:00
 ※8/17(日)、8/24(日)は19:30閉場
 ※最終日は17:00閉場
 ※最終入場は閉場30分前まで
 ※開催時間は変更になる場合があるため、公式WEBサイトをご確認ください。
 ※日時指定制
入場料:詳細はこちら
展覧会WEBサイト:https://www.monchhichi-ten.com/

 
※本稿の内容は取材時点のものです。最新の情報と異なる場合がありますので、詳細は展覧会公式サイト等でご確認ください。
 

 

 

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