新海誠監督の最新作映画『すずめの戸締まり』の世界観を堪能できる本格的な展覧会、新海誠監督作品「すずめの戸締まり」展が、2023年4月19日~5月8日まで松屋銀座8階のイベントスクエアにて開催されています。
開催に先立って行われた内覧会とオープニングイベントに参加してきましたので、会場の様子をレポートします。
※映画『すずめの戸締まり』の内容のネタバレを含みますのでご注意ください。
※掲載している画像は特別な許可を得て撮影したものです。一部のフォトスポットを除き、一般の方の撮影は禁止されています。
『君の名は。』『天気の子』で人気を博した新海誠監督の最新作映画『すずめの戸締まり』は、日本各地の廃墟を舞台に、主人公の少女・鈴芽(すずめ)と閉じ師の青年・草太が謎の白猫・ダイジンに導かれながら、災いの元となる”扉”を閉めていくロードムービーです。2022年11月の劇場公開から大ヒットを記録。199の国と地域での配信が決定し、中国では日本の興行収入を越えるなど、世界中から注目を集めています。
本展では、そんな『すずめの戸締まり』のストーリーを追うかたちで作画や絵コンテ、美術背景などの貴重な制作資料を展示。ここでしか見ることのできない特設展示とともにすずめたちが歩んだ旅の足跡をたどり、新海監督の「集大成にして最高傑作」とうたわれる同作の世界を堪能できる内容になっています。
会場へ入る際には『すずめの戸締まり』で重要な役割を果たす“扉”を通る演出があり、ファン心をくすぐられます。
さっそく“扉”に入りたくなるところですが、”扉”の手前には本展のあいさつ文や新海監督の紹介とともに、2020年4月頃に書かれた『すずめの戸締まり』の企画原案の一部も展示されていました。
企画原案は数量限定の入場者特典として『新海誠本』という形で劇場にて配布されていましたが、ご覧になったことのない方はぜひお見逃しなく。作品のコンセプトや、どのような想いのもと『すずめの戸締まり』が作られたのかが分かる内容になっています。
“扉”に入った先には、まず主題歌であるRADWIMPSの『すずめ feat.十明』が本編映像とともに流れる特設エリアがありました。美しい映像と歌声の力で、一気に『すずめの戸締まり』の世界に引き込まれていきます。
展示エリアではストーリーに沿って作画や絵コンテ、キャラクターデザイン、グラフィックなどの資料が展示されているだけでなく、作中の印象的なシーンの映像が流れていたり、セリフが大きく紹介されていたり……。映画公開からすでに半年ほど経って薄れかけていた記憶と感動が次々に蘇ってきました。
“新海誠ワールド”とも呼ばれる世界観を構築する美しく緻密な美術背景は、印刷された資料でももちろん堪能できますが、やはり動画で見てこそだと感じるので、映像展示があるのは非常にうれしい設計でした。
文章的な展示はそれほど多くありませんが、絵コンテに書かれたちょっとしたアクションの説明を読んでいると、映画鑑賞時には気づけなかった演出意図に気づけるなど、作品の理解が深まる発見も多かったです。
作中では一瞬しか見えない、各地でのダイジンの目撃情報が投稿されたTwitterの内容もしっかり確認できます。
また、鈴芽が抜いてしまった“要石”や、みかん農家の娘・千果が落としたみかんなど、作中で登場したアイテムが展示の内容に合わせて配置されていて、ファンは盛り上がること間違いなしです。(再現された“要石”、実際に見るとなかなかの存在感です)
撮影NGでしたが、『すずめの戸締まり』の制作フローや、キャラクターや美術の色の調整、射光などの撮影工程で入れる処理を新海監督が指示する「撮出し」という“新海カラー”を生み出す重要な工程、3DCGの活用についてなど、作品の魅力を作り上げるさまざまな要素の丁寧な解説があり、非常に興味深いものでした。
地震を起こす“ミミズ”のような炎が立ち上る噴火絵図や、“ミミズ”を抑える“要石”の変遷をたどった古地図など、作中で草太の部屋に登場する”閉じ師古文書”の展示も。いずれも美術スタッフの手によって筆と墨で描かれたものだといいます。
筆者は『すずめの戸締まり』を2回見ただけのライトなファンですが、いわゆる見せ場的なシーンはだいたい本展で取り上げられているように感じました。映画の冒頭からラストまでまんべんなく紹介されているので、展示を見終わる頃には本編を通しで見たような満足感が得られるはず。
驚いたのが、クライマックスである“ミミズ”との常世での戦いや、物語の〆も本編映像そのままの形で確認できたこと。
チラッとでなくかなりガッツリと流れています。映像と音楽、キャストの演技のパワーに圧倒され、取材ということも忘れて見入ってしまいました。映画館では一度しか見られないですし、もちろんまだDVD販売や動画配信もされていないこのタイミングで、何度でもじっくり見られるのはありがたいところ。
本展に足を運ぶのは映画視聴済の方が多いと思いますが、もし未視聴の方や誰かをお誘いの場合はよくご注意ください。
なお、会場内には鈴芽の椅子(草太)の感動的なシーンを再現したフォトスポットが幻想的な背景とともに設置されていました。記念撮影にピッタリです。
内覧会と同日に開催されたオープニングイベントでは、鈴芽のキャストをつとめた原菜乃華さんが登場。
「ここでしか買えないグッズやありますし、原画、絵コンテなど貴重な資料がたくさん見られる、『すずめの戸締まり』の世界をより深く知られる展覧会だと思います。ぜひたくさんの方に来ていただき、この作品を愛していただけたらと思います」と来場者にメッセージを寄せました。
販売されている本展オリジナルグッズのイチオシについて聞かれると、「一目ぼれしたのはダイジンのヘアバンド。かわいい……誰でもすぐダイジンになれますよね。毎日洗顔するときに(ヘアバンドを)つけるので、絶対にほしいですね」とグッズを手に笑顔でコメント。
原さんがイチオシしていた「ダイジンヘアバンド」はこちら。会場で販売されている商品については本展公式サイトで紹介されているのでそちらをご確認ください。
かわいいデザインが多いグッズの中で、草太の友人・芹澤の着ていたバラ柄のシャツを再現した「芹澤シャツ」はひと際存在感を示していました。
「草太シャツ」と合わせて、原さんは「推しの彼シャツをしたい人っていっぱいいると思うので。需要をわかってらっしゃる」と商品をベタ褒め。着るもよし、飾るもよし、ファンの方はぜひお見逃しなく。
新海誠監督作品「すずめの戸締まり」展の開催は4月19日(水)~5月8日(月)まで。
©️2022「すずめの戸締まり」製作委員会
■新海誠監督作品「すずめの戸締まり」展 開催概要
会場 | 松屋銀座8階イベントスクエア
(東京都中央区銀座3-6-1) |
会期 | 4月19日(水)~5月8日(月) |
開場時間 | 午前10時~午後8時 ※4月23日(日)、5月7日(日)は午後7時30分までとなります。 ※最終日は午後5時閉場、入場は閉場の30分前までとなります。 |
チケット料金(税込) | 当日券:一般1,300円、高校生900円、中学生700円、小学生500円
※未就学児は無料です。 ※混雑時は整理券を配布する場合があります。 |
問い合わせ | 松屋銀座 03-3567-1211(大代表) |
主催 | 新海誠監督作品「すずめの戸締まり」展実行委員会 |
展覧会公式サイト | https://www.suzume-tojimari-ten.jp |
展覧会公式 Twitter | @suzume_ten |
※本記事の内容は内覧会(2023年4月18日)時点のものです。最新情報と異なる場合がありますので、詳細は公式サイト等をご確認ください。
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